Lighthouseの未使用CSS削減 - ルート別分割で19.3%軽量化のサムネイル

はじめに

全ページで同じ layer2.css(40.92 kB)を読み込んでいると、Lighthouseで「使用していないCSS: 22 KiB」が検出されます。
common.cssposts.csspost-detail.css の3ファイルに分割し、各ルートで必要なものだけをimportすることで、記事詳細ページのCSSを 40.92 kB → 33.02 kB(19.3%削減)にできます。

Lighthouseで未使用CSSの警告が出た経験はありませんか?

  • 全ページで同じCSSファイルを読み込んでいるため、記事詳細ページに一覧用スタイルが含まれている。
  • Lighthouseで「使用していないCSS」が検出されたが、どのクラスを削除すべきか判断できない。
  • AIに「未使用CSSを削減して」と頼むとCSSのモジュール化を提案されるが、既存のCSS Cascadeが崩れそうで怖い。

この記事をお勧めしない人

  • CSSファイルは1つにまとめるべきで、分割なんて必要ないと考える人。
  • Lighthouseの警告なんて無視すればいいと考える人。
  • CSS最適化の具体的な手法に全く興味がない人。

もし一つでも当てはまらないなら、読み進める価値があるかもしれません。

CSS単体ファイルのままだと

  • 記事数が増えるほど layer2.css が肥大化し、未使用CSSの警告が大きくなる。
  • AIに「未使用のクラスを削除して」と頼むと、どこかで使われているクラスまで消して壊れる。
  • Layer 1-5という既存の階層構造を崩さずに最適化する方法が分からず手が止まる。

ルート別分割による軽量化

  • この記事を読めば、コンポーネントの責務(全ページ共通・一覧専用・詳細専用)を軸にCSSを分割する戦略が手に入る。
  • 具体的には、entry.client.tsxblog._index.tsxblog.$slug.tsx の各importポイントで分割する設計図が手に入る。
  • この方法は、このブログで実証済みで、既存のCSS構造を維持したまま40.92 kB → 33.02 kBを達成した。

私も同じでした

このブログの layer2.css は700行を超えており、記事詳細ページで FilterPanelPostCard など一覧専用のスタイルが読み込まれていました。コンポーネントの使用ページを分析し、common.cssposts.csspost-detail.css に分割して各ルートファイルでimportする形に変えました。CSS Cascadeの順序は維持したまま 19.3% 削減できました。

これはLighthouseモバイル全カテゴリ100点を達成した後、「さらに削れるはずだ」という感覚から着手した追加最適化です。

達成した成果

私はCSS構造を壊さずにルート別分割を実行し、以下の成果を達成しました:

指標 改善前 改善後 改善率
CSSサイズ(記事詳細ページ) 40.92 kB 33.02 kB -19.3%
未使用CSS 22 KiB 削減 -

この削減により、記事詳細ページの初期ロード時間が短縮され、Lighthouseの未使用CSS警告が消失しました。

AIが陥るCSS分割の罠

ここで重要な警告があります。

AIに「未使用CSSを削減して」と頼むと、高確率で以下のような提案が返ってきます:

  • 「未使用のクラスを全て削除しましょう」
  • 「CSS Modulesに移行しましょう」
  • 「全てのCSSをコンポーネント単位で分割しましょう」

しかし、これらは 既存のCSS構造を破壊する最適化 です。一時的に未使用CSSは減りますが、CSS Cascadeの順序が変わり、スタイルが崩れたり、保守性が大幅に低下します。

根本原因は、 Lighthouseが指摘する「未使用CSS」と、実際に削除すべきCSSが異なる ことにありました。AIは警告を消すことしか考えませんが、人間は「CSS構造を維持しながら最適化する」という、より高次の制約を満たす必要があります。

ここから先は、AIが絶対に提案しない 「既存のCSS構造を維持したまま、ルート別に分割する戦略」 の全貌と、具体的な実装コード、そして分割判断の基準を、すべて公開します。

この手順をコピーすれば、CSS構造の崩壊を回避し、 保守性を保ちながら19.3%の削減 を実現できます。私が5日間かけて検証したコンポーネント分析と分割戦略を、ここで全て公開します。

課題と解決策

では、実際にどのようにCSSを分析し、どの基準で分割したのか。具体的なコード、ファイル構成、そしてなぜ「コンポーネント単位の分割」ではなく「ルート別の分割」を選んだのか、すべて公開します。

この実装は、ClaudeMix本番環境で1ヶ月以上稼働している実証済みの構成です。同じRemix環境なら、このコードをコピーするだけで再現可能です。

初回測定: 22 KiBの未使用CSS検出

Lighthouseモバイル測定を実施したところ、以下の警告が表示されました:

  • 使用していないCSS: 22 KiB(削減可能)
  • 現在のCSSサイズ : 40.92 kB(layer2.css)

詳細を確認すると、記事詳細ページで以下のスタイルが未使用として検出されていました:

  • FilterPanel: 記事一覧のフィルタリング機能(カテゴリ、タグ選択)
  • PostCard: 記事一覧のカード表示
  • Pagination: 記事一覧のページネーション
  • その他 : 一覧ページ専用のグリッドレイアウト等

つまり、 全ページで同じCSS(layer2.css)を読み込んでいたため、記事詳細ページに記事一覧用のスタイルが含まれていた ことが原因でした。

工夫したこと

Lighthouseの警告を解消するため、以下の戦略でCSSを分割しました:

  1. ルート別にCSS使用状況を分析

    • 全ページで使用: BlogLayout, BlogHeader, NavigationMenu, BlogFooter
    • 一覧ページ専用: FilterPanel, PostCard, Pagination
    • 詳細ページ専用: PostDetailSection, TableOfContents
  2. 3つのファイルに分割

    • common.css: 全ページで使用するスタイル(5.11 kB gzip)
    • posts.css: 一覧ページ専用スタイル(1.23 kB gzip)
    • post-detail.css: 詳細ページ専用スタイル(1.03 kB gzip)
  3. Remixのルーティングに合わせてimport

    • entry.client.tsx: globals.css + common.css(全ページ)
    • blog._index.tsx: posts.css(一覧ページ)
    • blog.$slug.tsx: post-detail.css(詳細ページ)

特に、既存のCSS構造(Layer 1-5)を維持しながら、ルート別に分割することを重視しました。単純にファイルを分割するだけでなく、各コンポーネントの責務に応じてスタイルを整理し、保守性を確保しました。

ぶつかった壁

最も大きな壁は、 既存のCSS構造を壊さずに分割する ことでした。

layer2.cssは700行を超える大きなファイルで、BlogLayout、BlogHeader、FilterPanel、PostCard、PostDetailSection等、複数のコンポーネントのスタイルが含まれていました。

これを単純に分割すると、以下のリスクがありました:

  1. スタイルの重複 : 複数のファイルで同じスタイル定義が発生
  2. カスケードの崩壊 : CSS Cascadeの順序が変わり、スタイルが崩れる
  3. 保守性の低下 : どのファイルにどのスタイルがあるか分からなくなる

そのため、 コンポーネントの責務 に基づいて分割し、各ファイルに明確な役割を持たせることにしました。

解決方法

最終的に、以下の3つのファイルに分割しました:

1. common.css(全ページ共通)

全ページで使用するスタイルを集約:

  • BlogLayout: ページ全体のレイアウト
  • BlogHeader: ヘッダー(固定位置、ナビゲーション)
  • NavigationMenu: ナビゲーションメニュー
  • BlogFooter: フッター

サイズ: 5.11 kB gzip

2. posts.css(一覧ページ専用)

記事一覧ページ専用のスタイル:

  • PostsSection: 記事一覧セクション
  • FilterPanel: カテゴリ・タグフィルタ
  • PostCard: 記事カード表示
  • Pagination: ページネーション

サイズ: 1.23 kB gzip

3. post-detail.css(詳細ページ専用)

記事詳細ページ専用のスタイル:

  • PostDetailSection: 記事本文表示
  • TableOfContents: 目次
  • その他 : コードブロック、画像、リスト等のスタイル

サイズ: 1.03 kB gzip

この分割により、 記事詳細ページでは、一覧ページ専用のCSS(FilterPanel、PostCard、Pagination)を読み込まなくなり、7.90 kBの削減を達成 しました。

コード抜粋

1. entry.client.tsx(全ページ共通CSS)

// app/entry.client.tsx
import "~/styles/globals.css";
import "~/styles/blog/common.css"; // 全ページで使用

2. blog._index.tsx(一覧ページ専用CSS)

// app/routes/blog._index.tsx
import "~/styles/blog/posts.css"; // 一覧ページ専用

export default function BlogPosts() {
  return (
    <div>
      <FilterPanel />
      <PostsSection />
      <Pagination />
    </div>
  );
}

3. blog.$slug.tsx(詳細ページ専用CSS)

// app/routes/blog.$slug.tsx
import "~/styles/blog/post-detail.css"; // 詳細ページ専用

export default function BlogPostDetail() {
  return (
    <div>
      <PostDetailSection />
      <TableOfContents />
    </div>
  );
}

4. common.css(共通スタイル)

/* app/styles/blog/common.css */
/* ========================================
 * 共通コンポーネント (Common Components)
 * BlogLayout, BlogHeader, NavigationMenu, BlogFooter
 * ======================================== */

.blog-layout {
  background-color: var(--color-background-primary);
  color: var(--color-text-primary);
  min-height: 100vh;
}

.blog-header {
  position: fixed;
  top: 0;
  left: 0;
  right: 0;
  z-index: var(--z-index-fixed);
  padding: var(--spacing-2) var(--spacing-4);
  background-color: var(--color-interactive-primary-bg-faint);
  border-bottom: var(--border-width-sm) solid var(--color-interactive-primary);
}

/* 他の共通スタイル... */

5. posts.css(一覧ページ専用)

/* app/styles/blog/posts.css */
/* ========================================
 * 記事一覧ページ (Posts Page)
 * FilterPanel, PostCard, Pagination
 * ======================================== */

.filter-panel {
  display: flex;
  gap: var(--spacing-4);
  padding: var(--spacing-4);
}

.post-card {
  background-color: var(--color-background-secondary);
  border-radius: var(--border-radius-md);
  padding: var(--spacing-4);
}

/* 他の一覧ページ専用スタイル... */

6. post-detail.css(詳細ページ専用)

/* app/styles/blog/post-detail.css */
/* ========================================
 * 記事詳細ページ (Post Detail Page)
 * PostDetailSection, TableOfContents
 * ======================================== */

.post-detail-section {
  max-width: 800px;
  margin: 0 auto;
  padding: var(--spacing-6);
}

.table-of-contents {
  position: sticky;
  top: var(--spacing-16);
  max-height: 80vh;
  overflow-y: auto;
}

/* 他の詳細ページ専用スタイル... */

ルート別分割の副次的メリット

ファイル構成

ファイル サイズ (gzip) 使用ページ
common.css 5.11 kB 全ページ
posts.css 1.23 kB 一覧ページ
post-detail.css 1.03 kB 詳細ページ

キャッシュ効率の向上

ルート別にCSSを分割したことで、以下のメリットも得られました:

  1. キャッシュヒット率の向上 : 共通CSSは全ページで共有されるため、キャッシュが効きやすい
  2. 初期ロードの高速化 : 各ページで必要なCSSのみを読み込むため、初期ロード時間が短縮
  3. 保守性の向上 : コンポーネントの責務に応じてCSSが整理され、修正が容易

今回の学びと感想

Lighthouseの未使用CSS警告を解消する過程で、最も重要だと感じたのは 「既存のCSS構造を維持しながら、ルート別に分割する」 という姿勢でした。

単純にファイルを分割するだけでなく、各コンポーネントの責務に応じてスタイルを整理することで、保守性を確保しながらパフォーマンス改善を実現できました。

特に、以下の点が重要でした:

  1. ルート別に使用状況を分析 : どのページでどのコンポーネントが使われているかを明確化
  2. 共通CSS・専用CSSの切り分け : 全ページで使用するスタイルと、特定ページ専用のスタイルを分離
  3. 既存のCSS構造を維持 : Layer 1-5という既存の階層構造を壊さずに分割

AIとの協業においても、「ただファイルを分割する」のではなく、「なぜその分割が必要なのか」「保守性を損なわないか」を常に問い続けることが重要だと実感しました。

同じ「分割すれば削減できる」という発想で次はJavaScriptにも挑みましたが、Remix/Viteの共有バンドル戦略という壁に完全に敗北します

あなたのリポジトリへの適用

どちらを採用しますか?(1つ選択)

PERFORMANCE|パフォーマンス改善

ルート別CSS分割後の未使用CSS警告ゼロを維持できているか確認する

調査:

  1. 現在のLighthouseレポートで未使用CSS警告の残存状況を確認せよ
  2. 新しいルートが追加された際に専用CSSファイルが作成されているか確認せよ
  3. common.css・posts.css・post-detail.cssの各ファイルサイズが初期分割時から変化していないか確認せよ

この内容をClaude Codeに貼り付けて実行します

SEPARATION|責務を分離

共通CSSとルート固有CSSの分類が正しく維持されているか確認する

調査:

  1. 現在のCSSファイル構成(共通 vs ルート固有)の実態を確認せよ
  2. 本来ルート固有であるべきスタイルがcommon.cssに混入していないか確認せよ
  3. 各RouteコンポーネントのlinksエクスポートでCSSが正しくインポートされているか確認せよ

この内容をClaude Codeに貼り付けて実行します

外部コードのローカル実行にはリスクがあります。ブラウザ環境での実行を推奨します。